【感想】安倍VSプーチン
4連休を利用して読み終えた。
本書をすごく乱暴に要約するなら北方領土問題でプーチン以前のロシアと平和条約締結後、歯舞群島、色丹島の2島返還の交渉をしていた時期があった。
しかし、当時の日本としては国後島、択捉島も含めた四島返還交渉しか受け入れられず、アメリカからも四島返還を迫るように圧力をかけられていた。
その後プーチン政権になり態度を硬化させて二島返還さえも拒むようになり、日本との間には領土問題は存在しないという立場を表明するようになった。
日ソ共同宣言やサンフランシスコ平和条約など両国の細かい解釈の話は本書を読んでもらうしかないが、ロシアの懸念としては仮に返還後に米軍基地を建設されては安全保障上脅威になること。
ロシアの世論の9割以上が返還に反対していることがある。
さらにロシア人の入植もかなりすすんでおり、仮に返還されても日本にとって運営は容易ではないこと。
安倍政権下での北方領土交渉の進展はないといっていいだろう。
本書を読むと北方領土交渉での秘密主義は度が過ぎている。どこの決着を目指しているのかさえも伝わらなし、実際の交渉がうまくいってないので国内での説明を拒んでいるようにしか見えない。これでは国内での関心は急速に失われていくだろう。
近年ロシアは中国との関係を強めており、プーチンの終身大統領も法律改正でほぼ決まっており、この先十数年は進展はないように思える。