感想「宇宙を駆けるよだか」
愛されるべきは、外見か、中身か―『宇宙を駆けるよだか』予告編
最初に言っとくと、映画「ちはやふる 結び」に出演していた清原果耶が可愛くて彼女目当てでこのドラマを見始めた。
主人公の清原果耶演じる美少女の小日向あゆみがクラスメートの、容姿に恵まれない海根然子と人格が入れ替わってしまうところから物語は始まる。
全6話。
このドラマを観て思ったのは努力ではどうしようもない壁というものはあり、環境には抗えないということだ。
裕福な家庭に生まれ、容姿にも恵まれ、友達にも恵まれたあゆみ。
貧しい家庭に生まれ、父親は出て行き、シングルマザーの母親からもまともな愛情を受けず、恵まれない容姿のせいで周りから傷つけられる然子。
人格が入れ替わり、最初は小日向あゆみの身体になって友達に恵まれ、イケメン彼氏も手に入れて人生逆転とばかりに勝ち誇っていた然子だが、早くも1話の最後から再逆転劇が始まる。
然子の身体と入れ替わってしまったあゆみは最初こそ絶望していたが、友達の火賀に支えられ、然子の身体で前向きに生きることで、周りからも注目を浴び、友達からも認められる。
それが悔しくてたまらない然子。
小日向あゆみの身体を手に入れても何も変えられない自分への苛立ちは増し、自我が崩壊していく。
最終話で自殺しようとした然子にイケメン二人が、「俺たちは手を差し伸べたのに拒否したのはお前だ」と言った後に、あゆみが言い返したことは、努力では破れない壁、環境に流されるしかない現実を言い表わしている。
ストーリーの進行やキャラ設定(とくにイケメン二人)に陳腐な感はあるが、逆にそれが視聴者の幅を拡げている。
このドラマのメッセージ性は誰でも理解はできるが、映像化されたことで、より理解が深まり感情移入できる作品となっている。